宇都宮京子編『よくわかる社会学』ミネルヴァ書房(2006年9月刊行)
はじめに
このテキストは、「よくわかるシリーズ」の一冊として企画されました。
このシリーズの他のテキストと同様に見やすさや読みやすさを追求し、1つの項目の内容が見開き2ページまたは4ページで説明されているという特徴をもっています。しかし、同時に内容的には、従来のテキストと比較して、「社会学」という非常に広い領域を包括する科学をその対象としているという点で全く異なった特徴をもっているともいえると思います。
そのため、本書の企画を立てる際に以下のような諸点に注意をいたしました。
1,「社会学」の偏った紹介にならないようにさまざまな領域を取りあげる。重要な基本的知識とともになるべく最先端の知見や事例も紹介し、大学の新入生をはじめとして社会学に興味をもつ人々が、社会学の広さや深さに楽しく触れていけるように工夫する。
2,理論的側面と実証的側面とをバランスよく配置し、また両視点がなるべく乖離しないような構成にする。その構成を通して、読者が自分の日常生活を新たな眼で捉えなおしつつ分析していく能力を培い、築き上げていくものとして日常を見つめる姿勢を養うことを目指す。
3,本書は大学等の教科書として用いることももちろんできるが、教科書として使用しない場合も、読者が手元にもっていると便利な参考書としても使用できる内容にする。
はたして、企画どおりの内容になりましたかにつきましては、読者の皆様の忌憚のないご意見をお聞かせ頂けましたら幸いと存じます。
本書が、社会学を学ぼうという意思をおもちの皆様方に有意義な知見や情報を的確にお伝えできますことを願っております。
2006年9月
編者 宇都宮 京子